聴き上手になる
聴き上手になる
聴くとは?
「聞く」「聴く」「訊く」はそれぞれ意識の違いによって異なる。
一般的に最も使用される「聞く」は、意識しないで耳を傾けることで、能動的な状態ではありません。例えばお店などで流れているBGMは多くの人の耳に入りますが、ほとんどの場合は意識することはないはず。しかし好きな曲や気になる曲であれば、より耳を傾けたくなることでしょう。
「聴く」は相手や対象物の様子を感じ取ろうとすることで、能動的な状態になります。例えば大好きなアーティストのライブに出掛け、音楽やトークに耳を傾けているときや、音当てクイズで音を感じ取ろうとしているときの状態になります。
「訊く」は能動的な状態になりますが、自分の疑問を明確にしようとするとき限定の行為になります。言い換えると「尋ねる」と類似な意味になり、例えば相手の予定を知りたいときに使ったりします。
聴き下手
聴き手の態度によって、話し手が不快に感じたり、話を聴いてもらっていないと感じたりするのもです。以下に3つの聴き下手な対応を示しました。
①わずらわしそうに聴く
話し手:「新婚旅行で初めてハワイに行きました、海外も初めてです!」
聴き手:(興味なさそうに)「へーそうなんだ・・・」
②相手の話をとる
話し手:「新婚旅行で初めてハワイに行きました、海外も初めてです!」
聴き手:「私はハワイへ5回も行って飽きちゃったから、先月タヒチに行ってきたよ。やっぱいろんなところに行くのって刺激的でいいよね。今度はモルディブに行こうと思っているんだ。モルディブって・・・(延々と話が続く)」
③批判する
話し手:「新婚旅行で初めてハワイに行きました、海外も初めてです!」
聴き手:「ハワイなんて日本人ばかりで海外旅行としては面白味がないよ。ハワイに行く人の気が知れないよ」
聴き上手
聴き上手の心構えとして
①自分の話したい誘惑を我慢する。
②相手の話に関心を持つのではなく、何に関心を持っているかに関心を持つ。
相手がしゃべっている最中に、自分の頭の中に答えを出してしまっているような聴き方ではなく、相手がなぜこんな話をするのか、何に関心を持っているかを考える聴き方が大切です。
酔っぱらって帰宅した、新婚1年の男性がいたとします。
奥さんからは「こんな遅くまで飲んで帰って、晩御飯も準備できてたのに、なに考えてるの」と猛烈に怒っています。
男性は「仕方ないじゃないか、突然先輩から誘われて、連絡しようとしたんだけど、先輩から冷やかされて連絡出来なかったんだよ!」
そして大喧嘩になってしまいました。
男性は自分の頭に出た答えをそのまま言葉にしてしまいましたが『連絡もしないで心配したよな、飲み過ぎで体の心配をさせたな、晩御飯を食べずに待っていてお腹すいたよな、遅くまで一人で待ってて寂しかったよな』と相手の関心にフォーカスして考えたらこんな言葉にはならなかったと思いませんか?
話し手が何に関心を持っているかを考えるだけで聴き手の感情が変わり、人間関係も変わってきます。
話し手を話し上手にさせるコツ
聴き上手な人は、話し手を話し上手にさせることも出来ます。
姿勢や態度は、相手より少し節度がある姿勢と態度を心掛ける。
距離は、家族や恋人を除くと、1~2mほどがよい。
表情は、話し手の話題に合った表情を心掛ける。
視線は、話し手の口やのどの辺りを見ていて、時々目を見るのが無難。
相槌は、「なるほど」「へぇ~」「それで」と、話し手にリズム感を与える。
質問は、話し手の枠組みから外れた質問はしない。
確認は、話し手の言葉を繰り返して(オオム返し)聴き手の受け止め方が正しいかを確認。
聴き上手になることのメリット
数年前までは、書店に行っても「話し上手」の本は溢れるほどあっても、「聴き上手」の本はほとんど見かけませんでした。
最近は少しづつ「聴き上手の」の本を見かけるようになったのは、必要性が認知されてきた証拠だと思います。
話しをしている最中に口をはさまれたら、話しを全面的に否定されたら、とても不快な気持ちになると思います。そして私たちは気付かぬうちにこのような行動をしているかもしれません。
聴き上手な上司は、部下に好かれます。
聴き上手な母親は、子育ても上手な人ばかりです。
聴き上手な人は、周りに人が集まり、異性にも好かれモテます。
聴き上手は話し上手と同じぐらいに重要で、よりよいコミニュケーションをとるためのスキルであることを覚えておきましょう。